指しゃぶり

大谷選手が元気なかったので少し元気がなくなっていたのですが、本日の32号ホームランでまた元気が出てきた理事長淺野です。エンゼルス頑張れー。

先日おしゃぶりについて書かせて頂いたのですが、今回はしゃぶりについてです。

指しゃぶり止めさせた方が良いですかとご質問を受けます。

「小児科と小児歯科の保健検討委員会」の文章を改変してお伝えします。

お母さんのお腹の中にいるときから赤ちゃんは指しゃぶりをしています。胎生14週頃より口に手を持っていき、24週頃には指を吸う動きが出てきます。そして32週頃より指を吸いながら羊水を飲み込む動きも出てくるのです。胎生期の指しゃぶりは生まれて直ぐに母乳を飲むための練習として重要な役割を果たしていると考えられています。

出生後は、2~4か月では口のそばにきた指や物を捉えて無意識に吸います。5か月頃になると、なんでも口に持っていってしゃぶります。これらは目と手の協調運動の学習とともに、いろいろの物をしゃぶって形や味・性状を学習するためと考えられています。つかまり立ち、伝い歩き、ひとり立ちや歩き始める頃は指しゃぶりをしているとこれらの動作が出来ないため指しゃぶりは減少していきます。

幼児期前半(1~2歳)に積み木を積んだり、おもちゃの自動車を押したり、お人形を抱っこしたりする遊びがみられるようになると、昼間の指しゃぶりは減少し、退屈なときや、眠いときにのみ見られるようになります。

幼児期後半(3歳~就学前まで)では母子分離ができ、子どもが家庭から外へ出て、友達と遊ぶようになると指しゃぶりは自然と減少し、5歳を過ぎると指しゃぶりは殆どなくなります。 

指しゃぶりを続けるほど歯並びや噛み合わせに影響が出てきます。

おしゃぶりと同様に指しゃぶりによる咬合の異常として次のものが挙げられます。

(1) 上顎前突:上の前歯が前方にでる。(写真1)

写真1

(2) 開咬:上下の前歯の間に隙間があく。(写真2)

写真2

(3) 片側性交叉咬合:上下の奥歯が横にずれて中心があわない。(写真3) 

写真3

このような咬合の異常により舌癖、口呼吸、構音障害が起りやすくなります。

指しゃぶりにより上下の歯の間に隙間があいてくると、その隙間に舌を押し込んだり、飲み込むときに舌で歯を強く押し出すような癖が出やすくなります。

このような癖を「舌癖」というそうです。

舌癖のある児は話をするときに前歯の隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音となることがあります。 

前歯が突出してくると、口唇を閉じ難くなり、いつも口を開けている癖がつき、鼻や咽の病気がないのに口呼吸しやすくなります。

指しゃぶりについては3歳頃までは、特に禁止する必要はありません。

同時にお子様の生活のリズムを整え、外遊びや運動をさせてエネルギーを十分に発散させたり、手や口を使う機会を増やすようにしてください。 

スキンシップを図るために、例えば寝つくまでの間、子どもの手を握ったり、絵本を読んであげたりして、子どのを安心させるようにするのも有効です。

絵本を読むときは一冊だけといわないで、好きなだけ読んであげるというと、子どもは眠りながら夢の中でも読んでもらっている気がして親の無限の愛情に包まれます。