接触性皮膚炎と食物アレルギー

自宅2階の隔離部屋にこもり1週間が経ちました。ほぼ症状は消失しています。外界との接触がないのでかなり感(何の?)が鈍っている印象です。院長淺野です。

生後5か月を過ぎますと離乳食を開始されることが多いと思います。

離乳食後に口の周りが赤くなったとの主訴でのご来院いただくことがあります。

口の周りが痒そうです

乳児期の口の周りの赤みの原因の多くは、よだれや離乳食が口周りに触れることで起こります。これは「接触性皮膚炎」と言われ、文字通り刺激の強い物に触れた際、もしくは特定の物に触れることで反応が起こり湿疹が出ます。これはいわゆる食物アレルギーとは異なります。

食物アレルギーは、特定の食べものを食べることで、体の中で免疫反応に関わる抗体が過剰に反応し全身に症状が出現します。赤みやじんましんなどの皮膚の症状は顔以外の体他にも出ることが多いです。皮膚の症状以外には、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器の症状や、咳や呼吸の音がヒューヒュー聞こえるなどの呼吸器の症状、さらにはぐったりする、顔色が悪くなるといった症状が出ることがあります。口の周りの赤み以外に多彩な症状が出ます。

特に、呼吸症状が強く出る場合、ぐったりする場合は早急に医療機関を受診してください。

離乳食を食べた後に口周りの赤みだけ見られるようであれば、ほとんどの場合は心配いりません。お母さんには一手間かかってしまいますが、まずは食事前、口周りにワセリンを塗ってあげてください。ワセリンで口周りの皮膚のバリアを強化することで、かぶれの症状を防ぐことができます。初めて食べたもので口周りだけが赤くなってしまった場合は、次回以降はなるべく口周りにつけないように少量ずつ食べさせてみてください。

それでも口周りに赤みが出る、もしくは他の場所にも赤みが出る場合はアレルギーを念頭に置き、一度ご相談下さい。