感染性胃腸炎②

院長淺野です。

新型コロナウイルスの流行もありますが、感染性胃腸炎も流行しています。下図は埼玉県の感染性胃腸炎の報告数(黒点線)ですが例年通りもしくは少し多い流行状況です。

昨年(緑点線)は流行しませんでした。

埼玉県ホームページより

一般に感染性胃腸炎は嘔吐が半日程度継続し、嘔吐はなくなり、その後下痢が出現し下痢は1週間程度継続することが多いのですが、今シーズンの感染性胃腸炎はこの定型から外れる人が多い印象です。

1日3・4回程度の嘔吐と下痢がしばらく続いている人を散見します。嘔吐が継続するため、水分摂取、ごはん摂取がしばらくできなくなります。そのため具合が悪くなっている印象です。(アセトン血性嘔吐症の併存がある可能性もあります)

当院に来院されたときには明らかに元気がなく、顔色が悪くなっています。血糖を測定すると50-60 (mg/dL) 台です。

小児では一般的に低血糖は60(mg/dL)未満とされます。

輸液路を確保し、点滴で糖を補正し、輸液にて脱水を補正するとすぐに良くなります。

外来は新型コロナウイルス感染症疑いの患者様であふれ返っていますが、その中に紛れる、新型コロナウイルス感染症以外の患者様を適切に診断し適切に対応していければと思います。

(追記)インフルエンザは下記(黒点線)の通り2年連続全く流行りません(報告数がゼロです)。昨年は緑点線です。インフルエンザウイルスはどこに行ってしまったのか謎です。

埼玉県ホームページより