劇症型溶連菌感染症
現在、劇症型溶連菌感染症が増えているとの報道がされています。
https://www.asahi.com/articles/ASS1K4VQ6S1JUTFL00Y.html
溶連菌が引き起こす病気として、咽頭炎の他、劇症型溶連菌感染症(streptoc、occal toxic shock syndrome;以下、STSS)他があります。
通常の溶連菌感染症は皆様耳にすることが多いかと思います。
通常の溶連菌感染症と劇症型溶連菌感染症は何が違うのでしょうか。
また、通常の溶連菌感染症から劇症型溶連菌感染症に移行することはあるのでしょうか。
(何が違うか?)
溶連菌による一般的な疾患は咽頭炎であり、その多くは小児が罹患します。
一方、劇症型溶連菌感染症は子供から大人まで広範囲の年齢層に発症しますが、特に30歳以上の大人に多いのがひとつの特徴です。
咽頭炎を起こす溶連菌と劇症型感染症を起こす溶連菌は全く同じ菌です。
侵入経路や基礎疾患の違いなどが考えられます。
STSSは咽頭炎の場合とは異なり、傷口から感染することが多く、発症例のうち約3割が死亡するとされています。
重篤な基礎疾患を持っていなくても突然発病することがあり、四肢の疼痛、腫脹、発熱、意識障害等の初期症状から始まり、発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部壊死、急性腎不全等を引き起こすことから「ヒト食いバクテリア」とも呼ばれています。どの様なメカニズムで劇症型が生じるかは不明です。
(咽頭炎が劇症型に移行するか)
溶連菌による咽頭炎から劇症型に移行することは成人にて症例報告はあるようですが基本的にまれです。咽頭炎と劇症型は同じ溶連菌によって起こっていますが別疾患と考えて良い印象です。
咽頭炎にお子様が罹ったからといって劇症型に移行することを過度に心配しないほうが良いでしょう。
クリニックの半年に一度の定期掃除日でした。
ダイオーズさんに清掃してもらいました。
ピカピカです。