帯状疱疹ワクチン

最近当院に帯状疱疹で受診される方がありました。

帯状疱疹については下記でご報告させていただきました。

(上記ブログでは当院では帯状疱疹ワクチンを接種しないとなっていますが。今後当院で接種予定です。)

 

今回は帯状疱疹ワクチンについて触れたいと思います。

帯状疱疹は、周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません。

しかし、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を保有していない人には感染する可能性があり、その場合は水痘を発症します。

つまり大人が帯状疱疹にかかってしまうと周囲にいる1歳未満の水痘ワクチン接種前の乳児が水痘を発症してしまう可能性が出てくるのです!!!

また、帯状疱疹にかかった場合に重篤化するおそれはないとされます。

ただ、一方で、一定の頻度で皮疹消失後数か月以上にわたって疼痛が持続する帯状疱疹後神経痛(PHN)を合併します。

これが非常に厄介です。

 

帯状疱疹ワクチンによって、

➀帯状疱疹の発症を抑制し、

②個人のPHNの発症を予防し、

③接点のある乳幼児(お孫さん?)の水痘発症を予防できます

 

帯状疱疹ワクチンには2種類(下表)あります。

➀乳幼児に接種する水痘ワクチン(生ワクチン)と

②帯状疱疹専用の帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)です。

➀は安価で1回接種で済みますが、やや効果が低く、効果期間が短い。

②は高価で2回接種が必要。効果は高く、効果期間が長い。

のが特徴です。

 

名称乾燥弱毒生水痘ワクチン
「ビケン」
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
「シングリックス筋注用」
種類生ワクチン不活性化ワクチン
効能水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹の予防帯状疱疹の予防
効果発症予防50~59歳 約70%
60歳以上 約50% 
50歳以上 約97%
70歳以上 約90%
帯状疱疹後
神経痛
60歳以上 66.5%軽減50歳以上 100%軽減
70歳以上 85.5%軽減
持続性5年程度少なくとも10年間
接種対象者50歳以上の者50歳以上の者
または
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと
考えられる18歳以上の者
接種方法皮下注射筋肉内注射
接種回数1回2回
価格8000円程度20000~30000円程度/1回
帯状疱疹ワクチンは任意接種であるため、全額自己負担となります。 接種費用は医療機関ごとに定められていますので、
各医療機関にお問い合わせください。 お住まいの市町村によっては助成を受けられる場合がありますので、
各市町村HPをご確認ください(川越市の場合全額自己負担です)

 任意接種であること、高価であることから迷うかと思います。

三つの効果からすると打った方が良いかなとは思います。

お困りの際はクリニックにご相談下さい。