便に血がついた!

大谷選手・エンゼルス頑張れー。理事長淺野です。

便に血が混じりますとご相談をうけることがあります。

肛門から血液または血液を混じた便を排泄することを下血といいます。

様々な腸の病気の症状として現れます。

一般に胃や十二指腸からの出血は黒色タール便、

小腸からの出血はアズキ色の便、

大腸から肛門までの出血はイチゴジャム様の便または鮮血便というように、

血便の色や性状から出血の部位や原因を推定することができます。

下血の原因は、壊死性腸炎、腸回転異常症(中腸軸捻転)、胃・十二指腸潰瘍、腸重積症、メッケル憩室、消化管重複症、アレルギー性紫斑病(アナフィラクトイド紫斑病)、細菌性腸炎、潰瘍性大腸炎、若年性ポリープ、痔裂などの様々な原因があります。

代表的な疾患についてお話します。

裂肛(切れ痔)こどもでおしりから血が出る原因のほとんどはこれです。硬い便がでたときによく見られ、一般的に肛門の前方と後方切れて出血し痛みも伴います。血は真っ赤な血で、糸のように便がついたり、てんてんとついたりします。裂肛の場合は、排便時の痛みを訴える以外の訴えはほとんどありません。

腸重積 この病気は絶対見逃してはいけない病気です。生後4ヶ月から5歳までのお子さんにみられ、特に1歳前後のお子さんに多くみられます。イチゴゼリー状の血便を認めます。この場合は、間歇的な腹痛や不機嫌を伴うことがあり発症後早期の治療が必要です。まずは、レントゲンを使いながら大腸内に造影剤をいれ、圧をかけながら重積(重なった)した腸を元に戻しますが、発症して時間が経つと手術による治療が必要になることがあります。

メッケル憩室 頻度は少ないですが血便の原因になります。お子さんがお母さんのお腹の中にいるときに、臍と腸の間にある卵黄管という組織が残ったもので、腹痛や血便を繰り返し貧血が急速に進行し輸血が行われていることがあります。通常黒いタール便ですが大量の出血の場合は、鮮紅色になります。また腸重積原因になることもあります。診断は、核物質をつかった通称メッケルシンチで70〜80%程度が診断されます。シンチでも診断されない場合もあり造影による診断は難しいので、腹腔鏡を使って診断に至ることもあります。そのときにそのまま、腹腔鏡下に小さな創で手術(メッケル憩室の切除)することも可能です。

アレルギー性紫斑病(アナフィラクトイド紫斑病)は腹痛、嘔吐、血便(タール便)などの腹部症状、下腿、大腿、臀部などにみられる蕁麻疹様小丘疹、点状出血班、および顔面、手足の浮腫などの皮膚症状、膝や足関節の腫脹、関節痛などの関節症状、血尿、蛋白尿などの腎症状を特徴とし、比較的大きいお子さん(幼児期から学童期)に好発します。細菌感染、ウィルス感染、アレルギー、薬物などが原因とする説がありますが、真の原因は不明です。輸液、抗生剤、ステロイドなどによる内科的治療を行ない、腸重積症、腸穿孔などの合併症を起こした場合には手術の対象になります。

便にわずかに血が混じる程度で本人に嘔吐、腹痛等のその他の症状もなく、元気な場合は裂肛のことが多く心配ないことが殆どです。

血便(黒色便)の量が非常に多い場合、血便だけでなく、腹痛、嘔吐、紫斑等別の症状も併存している場合は必ず医療機関にご相談下さい。

慶應が勝つでしょうか、仙台育英が勝つでしょうか。

両校選手たちが、力を出し切って、悔いのない試合ができることを祈っています。

若き血