鼠経ヘルニア

大谷選手42号! 理事長は朝からご機嫌です。理事長淺野です。

股の横が腫れていますと受診される方がいます。

鼠経(そけい)ヘルニアと言わる病気のことが多いです。

以下日本小児外科学会ホームページ、日本小児泌尿器科学会ホームページの文章を改変しています。

鼠径ヘルニアは、一般には脱腸(だっちょう)と呼ばれています。股の付け根の少し上あたり(鼠径部)から陰部にかけて膨隆する病気です。

日本小児泌尿器科学会ホームぺージより

お腹の中にある臓器(小腸,大腸,大網という膜,女児であれば卵巣,卵管)が飛び出してきて,鼠径部が腫れてきます。

大阪日帰り外科 そけいヘルニアクリニックホームページより

お子さんの外科手術では一番多い病気です.発生率は1~5%とされています.女児に比べて男児に多いとされます。左右差については、頻度的には右のみ、左のみ、両側の順番ですが、女児ではあまり左右差はないとされています。

脱出した腸が自然に戻ってしまうことも多く、数回の脱出で確認されることが多いです。通常、腸が脱出しただけではそれ以外の症状はでないのですが、出口で締め付けられて、血行障害を生じることがあります。この状態を嵌頓(かんとん)と呼びます。嵌頓すると膨隆部は赤みを帯びて固くなり、痛み・おう吐・発熱などを伴うようになります。放っておくと腸や卵巣が腐ってしまうことがあります。また、嵌頓を繰り返すと精巣を栄養している血管が頻回に締め付けられることで精巣が萎縮してしまうこともあります。このような状況となった場合は速やかに医療機関を受診してください。

脱出した臓器は徒手整復によって戻すことはできますが、袋が残っている限り脱出をくりかえします。1歳未満の鼠径ヘルニアは自然に治ることもあるといわれていますが,早産児でない限り自然に治る可能性は極めて低いです。そのため自然に治ることを過度に期待して手術時期を遅らすことは良くありません。原則として,嵌頓傾向のないお子さんの場合,施設により異なりますが生後4~12ヶ月以降に予定手術としますが,少しでも戻りにくい場合は早期に手術しても問題はありません。 手術によってヘルニアの出口(ヘルニア門)をしばることでなおせます。手術は鼠径部の皮膚を1~2cmほど切開して行う従来の手術法と、臍から入れたカメラで観察しながらお腹の外から穿刺によってヘルニア門を閉鎖する腹腔鏡手術があります。

大谷選手観戦時の写真が送られてきました。羨ましい。

大谷選手!