風邪

クリニック駐車場の草むしりがなかなか大変です。院長淺野です。

先日のブログでもお伝えしましたが新型コロナウイルス感染症ではない風邪のお子様が増えました。

診療内容の小児医療でもふれていますが風邪について簡単にまとめてみます。

https://kawagoe-family.clinic/pediatrics.html

(自然史・症状)

・何らかのウイルス感染症です。

・自然に治る病気です。             

・発症後2,3日でピークに達し。10、14日の経過で良くなります。

・年長のお子様であれば5,7日で良くなることが多いです。

・悪くなる場合、予想される期間を超えて症状が継続する場合は中耳炎、肺炎等を念頭に再評価が必要になります。

(治療)

・市販薬は6歳未満では使用しないほうが良いとされます。同様に6~12歳でも勧められていません。市販薬には有益性はなく様々なデメリットが存在します(表)

副作用
解熱鎮痛薬(カロナール等)解熱により不快感をとる効果はないとされる。アセトアミノフェンは中和抗体反応を抑制し、その結果、鼻汁の増加とウイルス排出の長期化をもたらす。
第一世代の抗ヒスタミン薬眠くなる。興奮する。めまいを起こす。呼吸を抑制する。幻覚が見える場合がある。頻脈。心臓のブロック。不整脈の誘発。口が渇く。

・対症療法は、症状にて眠れない、水分がとれない、不快感が強い等の場合考慮されます。

 鼻汁

第一選択

・鼻症状に対して、以下の支持療法が推奨されています。鼻吸引(鼻への生食滴下、生食スプレー、生食環流)、適切な水分補給、ミストによる加湿。

 咳

・咳の原因となる喉の違和感に対して、水分補給、温かいのみもの(紅茶、チキンスープ)、はちみつ(1歳以上)もしくは咳トローチ(ドロップ)もしくはキャンディ(誤嚥のない小児)が推奨されます。

・よく使われていたアスベリン(日本にしかない薬)は咳を長引かせるかもしれないとされています。

・ビタミンC、亜鉛、ムラサキバレンギク(薬用ハーブ)、ホメオパシー薬は子供の風邪治療に勧められません。

まとめるとスパッと症状(咳・鼻汁・熱等)を消失させる魔法の薬はありません。水分をとり脱水にならないようにし、後は本人の自然治癒力を主にし、お薬でサポートしていくことになります。

(集団への対応)

・風邪をひいた子供は、手洗いと咳エチケットでリスクを減らせることから、学校・施設等への通学は可能です(熱がある場合は本人がつらく無理しないほうが良いと考えます)。新型コロナウイルス感染症で周囲の目が厳しくなっていますが・・・。