東日本大震災

院長淺野です。

東日本大震災で亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。

当日自分はオーストラリアでの学会に参加するため成田空港にいました。立っていられない揺れでした。建物の天井が崩れないかと思って上を見た記憶があります。すべての飛行機が飛ばなくなり、成田空港からの電車もストップしタクシーもなく成田空港から動けなくなりました。航空会社の方が空港に缶詰になっている人達に寝袋と食料を配ってくれました。本当に助かりました。心遣いに感激したことを覚えています。その日、夜になり、空港の大きなモニターからとてつもない津波の映像と火災の状況が流され続けました。何かできることはないかともどかしく思いました。午前2時頃に空港のタクシー乗り場を見たらたまたまタクシーが一台いました。慌ててタクシーに乗り込んで川越まで戻ってきました。すぐに埼玉医科大総合医療センターの災害支援チームとして気仙沼に向かいました。来訪している様々なチームと話しながら気仙沼の大きな避難所で医療を展開しました。未曾有の大災害の前では医療は無力でした。津波という自然災害では、亡くなられた方もしくは、軽症で元気にしている方の両極端に分かれていました。医療を必要としている人はごくわずかでした。避難している方に安らぎを提供していたのは自衛隊の皆さんでした。道路に多量にある瓦礫の山を一瞬で取り除き、生活路を確保していました。ビニールの巨大なお風呂を作り、子供たちに笑顔をもたらしていました。供給される温かいご飯には列ができていました。“すごい”と思いました。

この未曾有の災害を風化させてはいけないと日々思います。

この避けようのない自然災害で亡くなった人々の無念を思うと、避けられ得る現在の侵攻はなんとかならないのかと思います。