陰嚢水腫

大雨が降ったり、異常な暑さになったり、非常にやっかいです。

皆様体調を崩さないようご自愛ください。

理事長淺野です。

乳児健診のときに陰嚢が腫れた男の子を時折見かけます。

陰嚢水腫もしくは鼠経ヘルニアという病気が多くなります。

今回は陰嚢水腫について解説します。

この病気は日常診療でよく見かける疾患です。

精巣は、腹腔内(お腹の中)から下降の際に消化管を包んでいる膜(腹膜)と一緒に降りてきます。

そのため、腹腔内と精巣周囲は、細い道(腹膜鞘状突起 ふくまくしょうじょうとっき)でつながっています。

2歳までに、腹膜鞘状突起は閉鎖するといわれていますが、

閉鎖しなければ、陰嚢水腫や鼠経ヘルニアなど様々な病態を引き起こします。

小児外科学会ホームページより

鼠経ヘルニアは下記です。

陰嚢に水がたまることを陰嚢水腫。

鼠径部に水がたまることを精索水腫。

女児の鼠径部に水がたまることをヌック水腫といいます。

細かいですが・・・。

陰嚢が腫れているお子様の陰嚢水腫か鼠経ヘルニアの判断は

懐中電灯などの光が通過する(透光性)ことなどで判断しますが,

(鼠経ヘルニアは光が通らない)

超音波検査も有用です。

小児外科学会ホームページより


乳児(1歳未満)の場合は自然に治癒することが多いといわれています。

1-2歳にはほとんどが自然治癒します。

2歳を過ぎると自然治癒がしにくくなります。

陰嚢水腫と不妊症との直接的な因果関係はありませんが水腫が緊満している場合は、

精巣の変形が起こるとの報告もあります。

そこで将来の精巣機能への悪影響を心配し、手術が勧められることもあります。

その場合、小児外科にご紹介し状況によっては手術となります。 

お困りの際はいつでもクリニックにご相談下さい。