舌小帯短縮症

舌を前に出そうとするとハート形になります、舌の下側のヒダが短いでしょうかとご質問をうけることがあります。院長淺野です。

舌小帯短縮症といわれる状態です。

舌小帯とは、舌の裏側の真ん中にあり口の後方につながる縦のヒダです。新生児期は一般に太く短いですが、舌の発育とともに退縮し細くなります。舌の発育と舌小帯の退縮がうまくいかず、小帯が索状物として舌の動きを制限するような状態になると舌小帯短縮症となります。

東京慈恵医科大学外科学講座ホームページより


幼児期にラ行、タ行、サ行など構音障害の原因、食べこぼしの原因として発見されることが多いですが、診断や評価方法は統一されていません。また、哺乳障害とは一般に関連性がないとされます。

治療をするべきかは意見が分かれます。

現在小児科医、歯科医に対しては下記の様な提言がなされています。

小児科医師向け提言  

新生児期から乳児期前期の舌小帯短縮症は哺乳障害とは関係がなく,手術の必要性はない。幼児では舌小帯短縮症で摂食機能障害(食物をこぼす)や構音障害 (発音が曖昧になる)が発生することがあり,状況によっては治療の対象になる可能性もある。3歳以降に何か問題がある舌小帯短縮症を見たら,機能訓練や手術が必要になる場合もあるので,小児歯科専門医に紹介する。

歯科医師向け提言  

幼児の舌小帯短縮症に遭遇すると直ちに摂食機能障害や構音障害を考え,幼児期前期でも治療の対象であると保護者に伝え,手術を勧める歯科医師がいる。しかし,たとえ機能障害が認められても,実際には舌の発育と共に舌小帯は変化して機能障害が改善する可能性がある。また,早期の形成術は癩痕化する危険性が あり,かえって事態を悪くしてしまう可能性もある。さらに,低年齢の手術は子どもの身体に大きな負担と なる。 以上のことから,舌小帯短縮症による機能障害は, 特別な場合を除き,3歳以降の機能訓練や構音治療に よる対応で良く,手術の必要性があるか否かを4~5 歳以降に判断しても問題はない。

結論としては、食物をこぼすことや発音が曖昧になることがなければ手術は行わず3歳まで経過をみます。


手術の実際ですが、

軽症では局所麻酔後にハサミ等で小帯を切ります。

重症例では切開後に形成を行う舌小帯延長術が一般的ですが、その場合は全身麻酔が必要です。
一般に小児専門の歯科医師が行います。

夏野菜を植えました。ジャガイモらしきものは昨年の秋のものが残っていたのか勝手に育ってきました。

夏野菜