頚が傾きます
2023年5月10日
吉田選手の活躍も素晴らしいですね。院長淺野です。
乳児健診時に頚が傾いているのですが・・・。というご質問を受けます。
筋性斜頸と言われる病気が隠れていることがあります。
(原因)
後頭部と鎖骨・胸骨を繋ぐ胸鎖乳突筋という筋肉の拘縮で生じる斜頸です。
典型的な場合は、患側と反対側に顔を向け、同側に頚が傾く形です。
例えば右筋性斜頸の場合は右へ首を傾げる斜頸位、左への向き癖、左頭部の平坦化が生じます。
筋肉が原因で首を傾げる(斜めになる)ため「筋性斜頸」と呼ばれています。生後1か月ごろに、首をどちらかに傾げる、首にしこりがある、などで気づかれます。
また、患側の胸鎖乳突筋には、筋肉のしこりを触れますが、これは生後2~3週でもっとも大きくなり、その後は徐々に自然と小さくなっていきます。
1才半までに8~9割は自然治癒が見込まれます。
(対応)
「向き癖」の改善として、呼びかけやテレビなどの刺激を顔が向いている反対側から与えるようにします。 1才から1歳半までの間に改善が見られない場合のみ手術や装具による治療を行います。
手術は就学前に行うことが多く、全身麻酔下で硬い胸鎖乳突筋を切離します。術後は再発を予防するため、装具を約2か月間装着し、あわせてストレッチを約1年継続します。装具やストレッチが手術と同じくらい重要な治療になります。
お困りの際はクリニックにご相談下さい。