臍ヘルニア
2021年11月19日
2021年11月23日
院長淺野です。
ヘルニア(脱腸)とは、お腹の臓器がお腹の外に飛び出した状態を言います。そこで、臍ヘルニアは、臍が突出した状態でその中に腸管が飛び出した状態です。
臍ヘルニアは新生児10人に対して約1人に発生します。臍ヘルニアの診療は放置しても1年で80%が、2年で90%が自然に治ると言われて少し前までは経過観察が主流でした。治らなかった10%は手術となっていました。ただ、治っても余剰皮膚が見た目上の問題となることがありました。我が国では、近年になって圧迫療法の効果が見直されて、2000年頃から多くの病院で行われるようになっています。
圧迫療法を行えば一般に早く治り、余剰皮膚が少なくて済む傾向があります。圧迫療法は治療開始の時期も大切で生後早いほど効果が高く、生後6ヶ月以降では圧迫療の効果は低くなります。治療期間は、早ければ1ヶ月前後で治ります。
経過観察または圧迫療法にて治らなかった場合や、醜い形で治った場合には1〜2歳頃に手術を行います。
当院では、下記の様に綿球とフィルムで固定します。最初は3日後に再度来ていただき皮膚の状況を確認。その後1週間後、2週間後と間隔を伸ばしていきます。2週間の間にご自宅で3日に一度綿球とフィルムを交換していただきます。治療期間は60日が目安になります。