麻疹
麻疹の患者さんがでていますね。当院でも麻疹に関するお問い合わせが増えています。
理事長淺野です。
私は麻疹に小さいころに罹患しています。麻疹は一度かかると二度とかかりません(終生免疫と言います)。昔は水痘、麻疹などの流行性疾患に友人が罹患したらわざと隣で寝かせてかからせるということをしていました。
すごいでね・・・。
麻疹の特徴を以下にご説明します。
(症状)
熱咳鼻汁が下記の図の様にでます。
一度熱が下がって再度上昇しその際発疹が顕在化するのが特徴です。
頬にコップリック班という白い斑点がでますが判断が中々難しいです。
アメリカCDC=疾病対策センターによると、はしかに感染した子ども1000人のうち1人から3人は、呼吸器や神経系の合併症で亡くなります。
(治療法)
熱咳鼻汁下痢等に対する対症療法のみになります。
(感染力)
空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、感染力が極めて強いため免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされます。
(予防)
空気感染ですのでマスクは効果なく予防接種のみが唯一の予防法になります。
(日本の免疫状況)
2015年3月、日本はWHOより麻しんの排除が達成されたとの認定を受け、その状態を維持しています。現在では2歳以上の全年代において、抗体保有率は95%以上に保たれています。1972年より以前に生まれた昔の方はワクチンはうっていませんが、私と同じように感染しているケースが多く免疫を獲得していることになります。
(流行)
2019年等いままでも麻疹の小流行はちょくちょくみられています。大流行には至っていません。
国民の95%が抗体を保有している日本においては大流行しない可能性が高いと考えられます。
(われわれば成すべきこと)
唯一の予防手段のMRワクチンが麻疹の流行がみられる前から製造メーカーの不具合にて供給が不足気味でした。
この騒動で更なるワクチン不足を誘発してはいけません。
まず我々が行うべきことは定期予防接種対象の1歳、5歳から6歳のお子様の予防接種を確実に行うことです。
幼少のお子様を守りましょう。
このことが結果として全国民の抗体保有率を今まで通り高い値に保持することに寄与し、麻疹の大流行を未来の日本に起こらないようにするはずです。