ヒトメタニューモウイルス感染症(HMPV)

正月の暴飲暴食からの胃腸の立ち直りが遅く、年齢を実感せざるを得ない院長淺野です。

当院でもヒトメタニューモウイルス感染(HMPV)で具合が悪くなる人が出ています。

ヒトメタニューモウイルス感染症は日本においては例年ですと3月から6月の発生が多くなります。ヒト-メタニューモウイルスの流行のピークは一般的にはRSウイルスの流行のピークの1-2か月後になります。

3月から6月が例年ですとピークなのですが・・・。

ただコロナウイルス流行下の現在、原因ははっきりしませんが流行時期が例年と異なるようになっています。

夏にRSウイルスが流行したり、冬真っ只中の現在にヒトメタニューモウイルスが流行したりしています。

2022年ヒトメタニューモウイルス流行状況。秋から冬にかけて流行のピークがありました。例年から半年ずれています。


ヒトメタニューモウイルスには生後6か月から感染し始め、感染を繰り返します。5歳までには大部分のこどもがヒトメタニューモウイルスの感染歴があります。

ヒトメタニューモウイルス(HMPV)の感染によりよく見られる症状は、咳、鼻水、咽頭痛、発熱、息切れです。症状は一週間程度で良くなります。

感染してから発病するまでの潜伏期は、3-6日です。発熱期間は平均5日と比較的長くなります。気道から7-14日間にわたりウイルスが排泄されます。

小児のウイルス性呼吸器感染症の5-10%がヒトメタニューモウイルスによるとされます。一度の感染では十分な免疫が獲得されず、感染を繰り返しますが感染を繰り返す毎に症状は軽くなります。成人においても、ウイルス性呼吸器感染症の2-4%がヒトメタニューモウイルスによるとされます。
年長児や成人では、軽症な上気道の感染症(かぜ、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎など)や無症状の不顕性感染となりますが、乳幼児や高齢者・免疫不全者では重症な下気道の感染症(細気管支炎、喘息様気管支炎、肺炎など)となる可能性があります。ヒトメタニューモウイルスは急性中耳炎とも関係するとされます。

RSウイルス感染症と比較すると、乳幼児について、RSウイルス感染症が一歳以下で多いのに対して、ヒトメタニューモウイルス感染症は1-2歳で多いです。症状についてRSウイルス感染症が鼻水が多いのに対して、ヒトメタニューモウイルス感染症は発熱が多くなります。ヒトメタニューモウイルス感染では同時に不顕性感染(感染しても症状が出ない人。気が付かれない)が多くなります。

診断のための検査はヒトメタニューモウイルスの迅速診断キットになります。鼻咽頭もしくは鼻腔を細い綿棒でぬぐった後、5~15分程度で鑑別できます。適応は当該ウイルス感染症が疑われる6歳未満の患者であって、画像診断により肺炎が強く疑われる患者さんのみとなります。保険診療上全員に検査はできません。

ヒトメタニューモウイルスだけに感染している場合、各症状を楽にするための対症療法を行います。水分をしっかりととり、温かくして、ゆっくりと休みましょう。症状が辛いときは、咳や鼻水を抑えたり、熱を下げたりするためのお薬を出すことがあります。

かわごえファミリーファームにある花の種を植えました春を楽しみにしてください!