食物アレルギーと血液検査

寒い日が続きます。皆様年始をいかがお過ごしでしょうか。当方は帰省している息子のイベント・娘の用事のサポート他のため比較的バタバタした年末年始でした。院長淺野です。

食物アレルギー疑いに対して血液検査のご要望を承ることがあります。

食物アレルギー研究会ホームページより

食物アレルギー診断は、①特定の食品によりアレルギー症状が出現し、②特異的IgEの検出(いわゆる血液検査です。)などによって免疫学的機序を介している可能性があること、の両方が確認して食物アレルギーと診断することになります。

(食物アレルギー研究会ホームページより)

https://www.foodallergy.jp/faq-shinryo/shindan-chiryo/

最も大事なのは、詳細な問診で疑われる食品を食べた際の症状の有無(どの様な症状が出たかを含む)を確認することです。特定の食物によるアレルギー症状が再現性をもって起こっても、血液データの異常がそれほどでもない場合もあります。この場合は当然特定の食物にてアレルギー症状がでることを優先し診断します(血液検査は絶対ではありません)。

口の周りの赤みのみであれば食物アレルギーではなく、接触性皮膚炎を疑います。

また、症状が出現した際に食べた物、またその中に含まれる成分、疑われる食品のこれまでの摂取状況を確認します。また、食後の運動や服薬など、症状が出やすくなる要素がないかの確認を行います。

ご家族と詳細に直接お話しをし、ご本人を診察した上で、①原因と思われる食物が同定でき、②アレルギーを疑う症状を確認して、初めて医師の判断にて抗原特異的IgE抗体価測定(いわゆる血液検査)、皮膚試験(プリックテスト)等適切と思われる検査を選択し、行います。

また、血液検査は痛みを伴う侵襲的検査です。幼少のお子様は押さえつけて行くことになり心に傷を残す可能性があります。慎重に適応を見極めて行うべきものです。

上記より当院では原則、

➀原因と思われる食物が同定できていない・できない場合(盲目的な多項目検査を含む)

②アレルギーを疑う症状が認められない場合

アレルギー検査を行っておりません。

また検査の必要性を最終的に判断するのは診察にて直接お話しし、ご本人を診察してからになります。電話のお問い合わせにて検査の必要性を判断することはしておりません。

お子様に最適な医療を提供するためご理解のほどよろしくお願いいたします。