院長淺野です。

インフルエンザワクチンには「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンのような高い発病予防効果を期待することはできません。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。 国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34～55％の発病を阻止し、82％の死亡を阻止する効果があったとされています。

また、集団免疫効果を期待することができます。

棒グラフは日本において学校でインフルエンザの集団予防接種が行われていた時代を示しています。多くのインフルエンザワクチンが打たれています。40代以上の方は学校でインフルエンザワクチンを打っていたのを覚えているのではないでしょうか。波線のグラフは肺炎およびインフルエンザによる超過死亡率を示しています。学校でインフルエンザワクチンを打っていた時代は肺炎・インフルエンザによる死亡率が低いのがわかると思います。つまり学校でのインフルエンザワクチンの接種が間接的におじいちゃん・おばあちゃんの死亡率を下げていた可能性があるのです。こういったことを集団免疫効果と言います。

インフルエンザワクチンは

　・うった本人がインフルエンザにかかることを完全には防げないが、

　・うった本人が重症化することを防いでくれ、

　・集団免疫効果でご高齢の方がなくなることを防いでくれる。

可能性があります。