百日咳
週末は雨でしたね。
理事長淺野です。
百日咳の話題が多いです。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/022/40

少し触れてみます。
(どんな病気)
百日咳は百日咳菌に感染することにて発症します。

(なんで百日咳?)
百日咳は曝露から約1週間(6~20日)で発症します
(1)カタル期、(2)痙咳期、(3)回復期の順に進行します。
このカタル期、痙咳期、回復期の全ての経過に100日を要することが名前の由来です。
(診断は)
特徴的な咳
をしていれば分かりますが
(動画サイトで「百日咳 特徴的な咳」で検索してみてください。)
特徴的な咳をするのは生後2か月前の5種混合の予防接種を受ける前のお子様がかかった場合のみです。
百日咳の病原体検査には菌培養、血清学的検査、遺伝子検査がありますが、
検査が難しい、検査に時間がかかる等でクリニックレベルで行うのは中々難しいです。
精度の高い迅速検査がないため、素早く百日咳かは判断がつかないというのが正直なところです。
当院では百日咳を疑って正確な判断をつけたほうが良いと判断した場合は大きな病院に紹介しています。
(生後2か月未満の予防接種前の小さなお子様が多くなります。)
(治療は)
百日咳の治療は、マクロライド系抗菌薬と鎮咳去痰薬などの対症療法です。
痙咳期の抗菌薬投与は症状の改善は乏しいですが、他者への感染を著明に低下させると言われます。
(登園登校は?)
学校保健安全法では、特有の咳が消失するまで又は 5 日間の適正な抗菌薬投与が終了すれば
登校可能となっていますが、咳が続いている間はマスクなどの咳エチケットが必要でです。
(予防は?)
百日咳はワクチン未接種もしくは3回接種が完了していない6か月未満の乳児で重症化しやすいため、
生後2か月を迎えたら速やかな5種混合ワクチンの接種が望まれます。
現在、百日咳に有効なワクチンは3種混合・4種混合・5種混合ワクチンの中に含まれ、
これらの定期接種導入により百日咳の患者数は減少しました。
しかし、現行の定期接種は生後2か月から開始され、
0歳代に3回と1歳を超えて1回の追加接種の計4回接種であり、それ以降の追加接種は設定されていません。
そのため、抗体が減少してくる幼児期から学童期では4回のワクチン接種を受けているにも関わらず
感染する場合があります。ただ症状は軽いことが殆どです。
「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」では、任意接種となりますが、
就学前に3 種混合ワクチンを、また現在11~12歳の定期接種となっている2種混合ワクチンの代わりに
3 種混合ワクチンの接種を推奨してます。
(まとめると)
3種混合・4種混合・5種混合ワクチンさえ打っていれば過度に恐れる必要はありません。
予防接種前の生後2か月未満のお子様の感染には注意が必要です。
お困りの際はいつでもクリニックにご相談下さい。