乳児ボツリヌス症
ハチミツを誤って食べてしまった可能性があるのですが大丈夫でしょうか?
とご質問を受ける機会がありました。
ハチミツにはボツリヌス菌が混入している可能性があり、
ボツリヌス菌が赤ちゃんの体内に入ることによって生じる乳児ボツリヌス症を気にしてのご質問です。
「1歳未満の赤ちゃんにハチミツを取らせないでください」
というフレーズはどこかでお聞きになったことがあるかと思います。
以下東京都保健医療局ホームページ改変です。
(なんで1歳未満はダメで、1歳以上だと良いの?)
みつばちが集める花の蜜に土壌中のボツリヌス菌(芽胞)が混じることがあります。
市販のハチミツの4-6%にボツリヌスが混ざっている可能性があるとされます。
糖分が高いハチミツのなかでボツリヌス菌は増えることはできません。
芽胞という固い殻に守られ休眠しているのです。
1歳未満の赤ちゃんは、ボツリヌス菌(芽胞) をやっつける腸内細菌の準備が整っていません。
ハチミツと一緒に芽胞を食べてしまうと、
お腹のなかで芽を出した菌がどんどん増え毒素を出してしまうことがあるのです。
一方、1歳以上では、ボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、通常、何も起こりません。
ボツリヌス菌(芽胞)は熱に大変強く、パンや焼菓子くらいの加熱では殺菌されません。
ハチミツを含む食品も1歳をすぎてからにしましょう。
りんごジュースにはハチミツが入っていることが多いです。
原材料にハチミツが含まれている食品が1歳未満の乳児の口に入らないように注意してください。
(ボツリヌス菌が1歳未満のお子様の体内に入るとどのような症状が出るの?)
ボツリヌス菌が腸内で増えて出す毒素により、
便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる
といった症状を引き起こすことがあります。
これが乳児ボツリヌス症です。
ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。
少し怖いです。
お困りの際はクリニックにご相談下さい。