マイコプラズマ感染症の診断
2024年10月27日
大谷選手のケガが軽いと良いのですが。
マイコプラズマ感染症の患者様が増えています。
迅速検査の精度が低いので中々診断が難しくなります。
マイコプラズマの診断についてお話させていただきます。
マイコプラズマの診断に用いられるのは一般に下記です。
A気道から採取された検体
(1)イコプラズマ抗原迅速検査:数分で結果が得られるが感度が低い。
(2)マイコプラズマ核酸同定検査法:LAMP法が民間検査会社で実施可能である。結果がでるまで数時間かかる。感度、特異度とも高い。
B血液検査
(1)マイコプラズマ抗体価(粒子凝集反応PA法):単一血清では320倍以上、急性期と回復期のペア血清で4倍以上の抗体価の上昇を認めたらマイコプラズマ感染症と診断できる。
注:Mycoplasma pneumoniaeは培養が難しく、特殊な培地が必要なため、一般の医療機関では培養によって診断すことは困難。
東京都感染症情報センターより抜粋
A-(1)が一般にクリニックでの診断に用いられますが精度が低いのが問題です。
マイコプラズマ陽性の患者さんを陽性と正しく判断できなことが多くなります。
ですので仮に検査が陰性であっても陽性を見逃している可能性があり、検査として信頼性が乏しくなります。
迅速検査を行わないクリニックが多くなっている理由はこの信頼性が低いことが原因です。
他のA-(2)、Bの検査は一般にクリニックレベルでは行えない検査です。
このためマイコプラズマの診断をクリニックレベルでどのように行っているかというと
総合的判断に判断しているとなります。
- 周囲の流行状況
- 本人の症状と経過(咳がひどい等)
- 必要時施行した胸部レントゲン(はっきりとした肺炎像等)
主としてこの3つから総合的に判断しています。
中々難しいです。
お困りの際は診察時にご相談下さい。