マイコプラズマ感染症

オリンピック素晴らしかったですね。

結果はどうであれ、その分野で極限まで努力した人たちの発する言葉が身に沁みます。

自分も極限まで努力しているかなーと自問自答の日々です。

理事長淺野です。

7月までの熱のみの患者さんが多かった状況から一変して、咳鼻汁を伴う患者さんが増えてきています。

感染した人にひどい咳をもたらす微生物にマイコプラズマと言われるものがあります。

埼玉県でも下記の通り増えてきています。

全国的に見ても増えています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0689674345332d96bbd0f1b9a853b03ccb309c40

オリンピックを開催する年に流行するとも言われます。

当院でも増えてきている印象です。

マイコプラズマ感染症の特徴を簡単にご説明したします。

(症状)

潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などです。

咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、当初は乾いた咳ですが、

経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続きます(3~4週間)。

特に年長児や青年では、後期には湿った咳となることが多くなります。

鼻炎症状は本疾患では典型的ではありません。

幼児ではより頻繁に見られます。

嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、そして胸痛は約25%で見られ、

また、皮疹は報告により差がありますが6~17%に見られます。

(疫学)

本疾患は通常通年性にみられるとされます。

日本での調査からは、晩秋から早春にかけて報告数が多くなります。

罹患年齢は幼児期、学童期、青年期が中心でが、7~8歳にピークがあるとされます。

(診断)

迅速検査の精度は低いため、流行状況、症状、レントゲン等と総合的に判断する必要があります。

(治療)

抗菌薬による治療が基本です。

ただ期間は長くなりますが自然に治癒する疾患でもあります。

ペニシリン系やセフェム系などのβラクタム剤(一般的によく使われる抗菌薬)は効果がありません。

マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤が用いられます。

一般的には、マクロライド系のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、ジスロマック

などを第一選択とします。

学童期以降ではテトラサイクリン系のミノサイクリンも使用されます。

特異的な予防方法はなく、流行期には手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行と、

患者との濃厚な接触を避けることが重要になります。

(出席停止)

病原体の排出は初発症状発現前2~8日でみられるとさます。

臨床症状発現時にピークとなり、高いレベルが約1 週間続いたあと、

4~6週間以上排出が続きます。
感染により特異抗体が産生されますが、

生涯続くものではなく徐々に減衰していきます。

その期間は様々であり、再感染もよく見られます。

病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまでの期間の出席停止の措置が必要と考えられます。

(追伸)

皆さん台風に備えましょう。