アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)②
スギ花粉が飛び始めていますが皆さん大丈夫ですか。舌下免疫療法を始めたので今年は昨年までと比して調子が良い印象です? 院長淺野です。
鼻汁・咳で受診された時に、うちの子(2歳)花粉症でしょうかとご質問を受ける機会が今年も増えました。
昨年3月のブログと似たような内容になりますがおさらいです。
花粉症はそもそもどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。
花粉が目や鼻から入ってきて、体内の免疫システムによって異物とみなされると、異物に対抗するための抗体(IgE抗体と言います)がつくられます。このIgE抗体は、花粉に接触するたびにつくられるため、少しずつ体内に蓄積されていきます。蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状を起こすとされます。去年までは全然大丈夫だったのに急に花粉症になった。それは、これまで蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったからなのです。
こいったことからすると人生1回目(1歳)もしくは2回目(2歳)の花粉暴露で花粉症になるのでしょうか。基本的にはめずらしいということになるかと思います。鼻アレルギー診療ガイドライン2020年でも0歳から4歳のスギ花粉症有病率は3.8%と非常に低くなっています。(5~9歳では30.1%、10~19歳では49.5%と大人の発症率と変わりません)。
鼻汁・咳で受診された場合4歳までは何らかの感冒の可能性が高く、5歳を超えてくると花粉症も否定できなくなるという事になるでしょうか。
アレルギー検査のうち、血液検査や皮膚テストの信頼性は50〜60%といわれています。
半数の方は、間違って陽性(偽陽性)と判断されている可能性があるということです。
食物アレルギーの場合は、特に血液検査と皮膚テストは補助的診断レベルで評価されます。あくまで検査陽性=食事除去にならないよう、実際の食事場面で確認する必要があります。検査のみで判断すると危険だということはお伝えした通りです。
一方、喉や鼻などから吸収されるアレルゲンは、信頼性が高いといわれています。
喉や鼻などから吸収されるアレルゲンは、スギ花粉やダニ、ハウスダストなど環境アレルゲンが含まれます。スギ・ダニに関しては診断すれば舌下免疫療法に結び付けることもできるためご希望があれば血液検査をしても良いかもしれません。
皆さん花粉症対策に原始的ですが洗顔、手洗い、うがいを馬鹿にせず行いましょう!