ウィルス性胃腸炎のお話

クリニック看護師です。1ヶ月程前より、ウィルス性胃腸炎で受診するお子様が増えています。ウィルス性胃腸炎は、ノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスなどの様々なウィルスによって起こり、主に冬に多いことが知られています。

症状は、吐き気、嘔吐、下痢、発熱などがあり、全ての症状が出現することあれば、一部の症状だけの場合もあります。

ウィルスを撃退するお薬はないため、ウィルスが下痢や嘔吐で身体から排出させることをサポートすることが主な治療となります。

嘔吐や吐き気が強い場合は、制吐剤(吐き気止め)を使用します。下痢止めは基本的に使用しません。その理由は、下痢止めを使用してしまうと腸内でウィルスを長く留めてしまうため症状が長引いたり、悪化する可能性があるためです。

特にお子様のウィルス性胃腸炎では、下痢や嘔吐により水分摂取が減ることで脱水症を来すことがあります。

脱水を予防するためには、市販の経口補水液(OS-1やアクアライト)が最適です。一度にたくさん飲んでしまうと胃腸に負担がかかり吐いてしまうため、経口補水液を“少量ずつ頻繁に、根気よく”が大事です!経口補水液は塩味があり苦手なお子様もいるので、飲めない場合はリンゴジュースなど好きな味でも構いません。その場合、うどん汁や味噌汁を塩分補充に有効なため、あいまに飲ませてあげましょう。母乳やミルク(通常の濃さでOK)も飲めるようであれば飲ませてください。

嘔吐や下痢をしているお子様に以下の症状がある場合には、できるだけ速やかに医療機関を受診してください。

  1. 泣いても涙が出ない
  2. 目が落ちくぼんでいる
  3. 皮膚や舌が乾いている
  4. 活気がない、あるいは不機嫌
  5. 皮膚が冷たく、顔色が悪い