新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時感染
インフルエンザに感染する患者さんが増えてきました。
迅速検査で新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に陽性になる人も当院で1人出ました。テレビでの報道はありますが、コントロール不良の糖尿病等、免疫が極端に抑制された人でなければあり得ないと思っていました。偽陽性の可能性もありますがビックリしました。
ひとつのウイルスに感染すると一時的に自然免疫によりインターフェロンが誘導され、次に感染するウイルスの増殖を抑える作用が起こると考えられています。
端的に言うと、人があるウイルスに感染すると免疫が活性化するので、その時期に他のウイルスが入り込んできても追い払われることがあるということになります。
つまり原則的に人は同時に2つのウイルスには感染しないのです。
これは「ウイルス干渉」と呼ばれ1960年代から複数のウイルス間の相互作用について研究されています。個人でみた場合は人は同時に2つのウイルスに感染しないという事になり、大きな括り(集団)でみてみるとRSウイルスとインフルエンザウイルスの流行時期がずれる等、各ウイルスの流行時期がずれることに関係していると言われています。
では新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスについてはどうでしょうか。
残念ながら、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとのウイルス干渉については研究がまだ十分ではなく良くわかっていません。
現在、同時流行が起こっている可能性があります。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとの間のウイルス干渉は他方を強力に抑え込む方向に働いていない可能性があります。個人においても同時感染がおこるかもしれません。
新型コロナウイルスとインフルエンザに同時に感染した人は重症化しやすいとの報告もあります。
ただ過度に恐れる必要はありません。両方の予防接種を受けて、うがいと手洗いを励行して、粛々と行動していきましょう。
掃除業者さん(ダイオーズ)にクリニックを掃除してもらいました。プロはすごいですね。ピカピカです。