熱性けいれん
クリニック看護師です。今回は「熱性けいれん」についてお話させていただきます。
けいれん(痙攣)とは、急に起こる筋の不随意(自分の意思とは関係なくおこる)運動です。子どもは大人に比べてけいれんを起こす頻度が高く、子どもの約10%が何らかのけいれんを経験します。けいれんを起こす疾患では、てんかんや髄膜炎、脳出血や代謝異常などがあります。その中でも子どものけいれんの一番多い疾患として「熱性けいれん」があげられます。
熱性けいれんは、一般的には「ひきつけ」とも言われています。
熱性けいれんは生後6か月から6歳頃までに多く、発症のピークは1歳~2歳となります。
10%の子どもが何らかのけいれんを経験し、そのうちの7~8%は熱性けいれんが要因となっています。熱性けいれんは38℃以上の高熱時に誘発されて、脳細胞の一時的な電気刺激の興奮によって目を上転させ、両手足が硬くなり、ガクガク両手両足が、同じようにけいれんして意識障害を伴います。通常の熱性けいれんは2、3分で終わります。
熱性けいれんの再発の可能性は30%、残り70%は再発しません。抗けいれん薬の投与は初回、2回目程度であれば予防投与、もしくはその場のけいれんを止める薬としては使用せず、そのまま経過をみます。けいれんが3回目、4回目以降の熱性けいれんとなると、抗けいれん薬によるふらつきや転倒等のデメリットとけいれんの予防効果を天秤にかけ、メリットが上回ると判断されれば投与されます。
熱性けいれん
・生後6ヶ月~6歳頃までに多い
・子どもの約7~8%が経験する
・脳の未熟性に起因する
・全身の筋肉の痙攣と意識障害
・高熱の場合が多く2、3分に終わることが多い
・再発の可能性30%
~けいれん時の対応について~
① まずは、慌てず落ち着いて対応しましょう!
熱性けいれんであれば、2・3分でけいれんが落ち着きます。重症になることはありません。そうは言っても、子どもがけいれんしたら誰でも慌ててしまうのは当然なことですね・・
② けいれん時の嘔吐防ぐために、顔や身体を横に向かせましょう。
③ 口の中に手や物を入れてはいけません!!
「けいれんした時は、舌を噛んでしまうから、口に指を入れてあげる」と思いこんで、咄嗟に指を入れてしまうことがあるかもしれませんが、絶対に口の中に手を入れてはいけません。口の中に手やタオルを入れることによって、指に大怪我をしてしまったり、子どもは解剖上、舌(ベロ)が大きいため舌を押し込んでしまい、逆に気道を狭めてしまうことになってしまいます。
④ けいれんの状況を観察しましょう。
(持続時間・左右差はあるか、身体の一部でおこっているか、全身でおこっているか)
⑤ 5分以上けいれんがおさまらないようなら救急車を呼びましょう。