吃音(きつおん、どもり)
少しずつ暖かくなってきましたね。
緑がドンドン増えています。
いっぱい遊んで、いっぱいご飯たべて、いっぱい寝ましょう!
理事長淺野です。

吃音(きつおん、どもり)についてご質問を受ける機会がありました。
簡単にまとめてみたいと思います。
国立障害者リハビリセンターのホームページが簡便にまとまっており一部引用させていただきました。
(症状)
吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない(非流暢)発話障害のひとつです。
特徴的な非流暢は、以下の3つです。
1 音のくりかえし、例:「か、か、からす」
2 引き伸ばし、例:「かーーらす」
3 ことばを出せずに間があいてしまう、例:「・・・・からす」
上記のような話し方が、発話の流暢さを著しく乱すほど頻繁にみられる場合に、吃音と定義されています。
吃音は
1 発達性吃音(先天的に持っているもの)
2 獲得性吃音(後から発生したもの)
に分類されます
吃音の9割は発達性吃音です。
発達性吃音の特徴として、以下のようなことが知られています。
1 幼児が単語をつなげて話す(2語文以上の)時期に起きやすい
幼児期(2~4歳)に発症する場合がほとんど(小学校以降に発症することもあります)
急激な言語発達の副産物といわれることもあります。
2 発症率(吃音になる確率)は、幼児期で8%前後。
有病率(ある時点で吃音のある人の割合)は、全人口において0.8%前後です。
3 男性に多く、その比は2~4:1程度である(年齢や調査により結果は変動します)
4 以下の要因がお互いに影響し合って発症すると言われます。
体質的要因(子ども自身が生来的にもつ吃音になりやすい体質)
発達的要因(運動・認知・言語・情緒が爆発的に発達する時期の影響)
環境要因(周囲の人との関係や生活上の出来事)
これらの要因のうち、体質的要因の占める割合が大きい(7~8割程度)と報告されています
獲得性吃音には、
1 神経学的疾患や脳損傷などにより発症する獲得性神経原性吃音
2 心的なストレスや外傷体験に続いて生じる獲得性心因性吃音
があります。どちらも発症時期は主に青年以降(10代後半~)です。
1 吃音の多くは軽い繰り返し(例:あ、あ、あのね)から始まります。
2 うまく話せる時期もあるのが特徴です(「波がある」と表現することがあります)。
3 7~8割くらいが自然に治ると言われています。
発症後3年で男の子は6割、女の子は8割が自然に治るというデータがあります。
4 残りの2~3割は徐々に症状が固定化して、楽に話せる時期が減ってきます。
5 さらに症状が進むと、話そうとしても最初のことばが出なくなることが多くなります。
100人に1人は成人になっても吃音が残ってしまいます。
8歳くらいまで症状が続くようでしたら、
その先も吃音と付き合っていくことになるかもしれません。
吃音の人に「ゆっくり話して」といったアドバイスは逆効果です。
「ちゃんと話さなきゃ……」と萎縮してしまい、
話し始めのタイミングがつかみにくくなるからと言われています。
話の途中で何を話そうとしているのか気付いたからといって、本人の言葉をさえぎり、
代弁してしまうこと(言葉の先取り)も傷つける原因の1つです。
吃音があるからといって周りが過度に意識をせずに、自然な会話をすることが一番大切です。
話している途中にフォローは必要ありません。
もし聞き取りづらいことがあれば話が終わったあとに聞いた内容をまとめたり、
その内容を繰り返したりするようにしてください。
「人は内側に話したい気持ちがあり、その外側に話し方がある」あります。
話し方ではなく、気持ちの方に意識を向けることで吃音の方も安心して話すことができます。
お困りの際はいつでもクリニックにご相談下さい。