寝違えた???
昼はまだまだ暑いですね。理事長淺野です。
突然首を痛がりますとのご相談がありました。
(首が痛い場合)
多くは寝違えかと考えられますが、
子供の場合、環軸椎回旋位固定(かんじくついかいせんいこてい)
と言われる病気が隠れていることが在ります。
(寝違えって?)
そもそも寝違えは、不自然な姿勢で寝たりすることで、
首に無理な負担がかかるために起こります。
首から肩にかけての筋肉や靭帯などに急性の炎症が起きて、
痛みや運動制限が生じると考えられています。
レントゲン検査を受けても、首の骨に異常がみつかることはほとんどありません。
(環軸椎回旋位固定って?)
それに対して環軸椎回旋位固定は首の骨の異常です。
環軸(首の骨の一番上のものと二番目もののことです)関節が
回旋(回った状態)変形した位置で固定され,
斜頚位(首を傾げた状況)を呈している状態です。
原因は不明のことが多くなりますが,軽微なケガや上気道感染,口腔・咽頭の手術,
長時間の耳疾患の手術などを契機に発症するとされています。
大人にはめったに見られず子供に多くなります。
その理由として
①小児は環軸関節の骨の支持が少なく,
②関節包が緩く回旋(回転する)角度が大きく,
③関節面の水平化が強く,
④環軸関節のなかで軟部組織の占める役割が大きく炎症が容易に波及しやすい
ことが考えられています。
神経麻痺はほとんど見られません。
(治療)
治療法の決定には症状の持続期間が非常に重要で、
症状がどれくらい持続しているかにより、治療法を選択します。
まず、症状の持続が1週間以内の場合は
ソフトカラー固定と安静でほとんどが自然に治癒します。
この方法でなかなか改善が得られない場合は入院して頂き、
牽引および消炎鎮痛剤などの投与を行ないます。
(環軸椎回旋位固定と寝違えの区別はつくの?)
環軸椎回旋位固定と寝違えの区別は難しいことが多いです。
経過をお聞きしての判断になりますが、
必要時は整形外科に紹介させていただきます。