伝染性紅斑(リンゴ病)
2023年2月19日
先日明らかにリンゴ病と思わるお子様を拝見しました。
埼玉県では下記の通り全く流行がないためビックリしました。また通常は夏に流行します。
原因はヒトパルボウイルスB19です。
感染後5~10 日に、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛等の軽微な症状がみられます。その後、両側頬部に孤立性淡紅色斑丘疹が現われ、3~4日のうちに融合して蝶翼状の紅斑となります。
四肢の発しんは、網目状、レース様または大理石紋様と称されます。発しんは1~2週間続きます。
感染して症状がでるのは小児期には80~90%です。成人では40%程度に低下するため、感染に気付かれない場合もあります。
心筋炎、急性脳炎・脳症、先天性溶血性疾患(遺伝性球状赤血球症等)での無形成発作(重症の貧血発作に伴い、血小板、白血球等も一緒に減少する)等の重篤な合併症を伴うことも稀ですがあります。
一度感染すると一生続く免疫(終生免疫)を獲得できますので再感染はありません。
飛沫感染により感染するため、咳エチケットや手洗いの励行等、一般的な予防法を実施することが大切です。
発しんが出現する前の時期が、最も感染力が強く、発しんが出現する時期には抗体が産生されており、感染の危険性はなくなるため、発症者の隔離等により感染拡大を防止することはできません。
妊婦さんに感染すると、ウイルスは胎盤を経て胎児に感染します。胎児に感染した場合には、約10%が流産や死産となり、約20%が重症の貧血状態となり、全身に浮腫をきたす胎児水腫になります。
感染が分かった後でも構いませんので妊婦さんに近寄らないことが肝要です。
もしかしたら流行するかも?しれません。原始的ですがうがいと手洗いを励行しましょう。