こどもとスポーツ

少年野球コーチをしていますが体系的にこどもとスポーツを学ぶ機会がありませんでした。今回少し学んだことをお伝えします(いらないか?)。院長淺野です。

皆さん運動におけるプレゴールデンエージ・ゴールデンエージってご存知ですか?

プレゴールデンエージとは小学校2年生・3年生頃の神経回路が急ピッチで伸びている時期です(上図)。

動作の習得(小学生)→粘り強さ(中学生)→力強さ(高校生)

運動能力の基礎は、この年代で形成されます。この年代の子供達には特定のスポーツだけでなく、色々な遊びを経験させ、ボールに触れることの楽しさや身体を動かすことの喜びを教えて、「動く事が好き」という状態で次のステージへと送り出す事が理想的です。この時期の子供は、楽しそうなこと、興味のあることには夢中になりますが、おもしろくないと感じればすぐにやめてしまう特徴を持っています。指導者は、子供達が飽きない練習内容や練習の進め方を工夫する必要があります。子供達がその時に興味を示したこと、楽しんでいることを大切にしながら、自主性を損なわせないように練習を行うことが重要です。ボールを使った鬼ごっこやラグビーボールでサッカーをしたり、様々な遊びや多面的な活動、みんながたくさんボールに触れられるようにスモールグリットでのミニゲームなどを行っていくのも良いと言われます。

ゴールデンエージとは小学校4年生から6年生の時期です。大脳の可塑性が比較的高く、また動作習得のための条件もピークを迎え、双方が絶妙なハーモニーを奏でる時期です。その時期は、動きを頭で理解してから体に伝えるのではなく、見たまま感じたままのイメージに従って体全体で技術を吸収していく特別な時期と言われています。神経系の発達がほぼ完成に近づき、形成的にもやや安定した時期です。従って、動きの巧みさを身につけるのにもっとも適しています。この時期は一生に一度だけ訪れる、あらゆる物事を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期(ゴールデンエイジ/Golden Age)と言われるのもそのためです。また、精神面でも自我の芽生えとともに、競争心が旺盛になってくる時期でもあります。また、指導者は子供達に、状況判断や戦術など絶えず考えながらスポーツに取り組める選手になるために必要な要素(状況判断)を必要とするようなメニューを練習に取り入れるべきです。すべての競技に共通している正しい走り方などを指導出来れば理想的です。この時期には、プロが見せるような高度なテクニックも身につけることが可能です。一度習得した技術は大人になってからもずっと身についています。従って、この時期に多くの技術を学ばせることが重要です。つまり、基本と高度な技術の両方をこの時期に身に付けるべきなのです。しかし、この時期はまだ、筋肉が未発達なため、強さや速さに対する体の準備はできていません。従って、スピードや力強さを要求するのではなく、大人になっても必ず残る財産ともいえる「技術(スキル)」のみを身につけさせるよう心がけましょう

13歳以上をポストゴールデンエージと呼びます。骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、身体のバランスが今までとは異なってきます。そのために感覚が狂い、習得した技術が一時的にできなくなったり、上達に時間がかかることがこの時期ではよく見られます。このことを「クラムジー(Clumsy)」と呼ぶそうです。新しい技術の習得よりも、今まで身につけた技術・習得を実戦状況の中でも発揮できるように指導しましょう。

15歳から16歳以降をインディペンデントエイジと呼びます。クラムジーが終わると、自立のための準備期になります。この時期には、精神的にも肉体的にもバランスがとれるようになり、それまで身につけたスポーツの「基本」を土台として、さらにその上に自らの個性を発揮できるようになるのです。筋肉の発達はこの時期から17~18歳にかけて急激に向上するため、13歳以降の基本技術の反復トレーニングに加え、筋力トレーニングが可能になります。

簡単にまとめると

発育発達に沿った体力つくりに関する浅見のモデル(浅見俊雄(1985)スポーツトレーニング,朝倉書店,141-143)

小学生は動きづくり(スキル)

中学生はスタミナづくり

高校生はパワーづくり

になるでしょうか。

自分は小学校の時に楽しく剣道をやっていましたが先輩の技をジーっと見ただけで再現できた記憶があります。天才かと思ったのですが単に年齢的な特徴たったんですね。