熱さましの使用について
暑くなっています。
皆さん季節外れの熱中症に注意してください。
単語が出ず認知症が心配な理事長淺野です。
「熱さましは使用した方がよいでしょうか?」
というご質問をよく受けます。

熱さましは
使用した方がよいでしょうか?
使用しない方がよいでしょうか?
かつてブログにまとめたことがありますが、
再度復習してみましょう!
以下簡単に英文の文献をまとめてみました。
そもそも発熱って言えるのは何℃から?
・生後30日までは、直腸温で38℃以上
・生後1~3か月までは、直腸温で38-38.2℃以上
・3か月~36か月までは、38~39℃が熱の範囲。39℃以上は重症の可能性
・更なる年長児・成人では、熱の範囲は37.8~39.4℃。重症の可能性があるのは39.5℃以上
→まとめると38℃以上が発熱と言えそうです。
(熱って害なの?)
・発熱は、感染している細菌、ウィルスの発育と再生を阻害する。
・軽度の熱の上昇は、免疫系を賦活化する。
→熱は必ずしも悪者ではないようです。
感染している微生物を生体内に住みにくくしているのは間違いないようです。
熱が上がると頭が壊れちゃう?
・40℃以上の高熱が、頭部に対してダメージをもたらすような副作用リスクを増大するという証拠はない。
→熱で頭がおかしくなるようなことは無いようです。
熱を下げるとどんなメリットがあるの?
・熱を解熱剤で下げることは、活気を上昇させる、飲水行動を誘発するなど快適な環境をつくる。
→熱を下げることにメリットはありそうです。
では解熱剤(カロナール)はどんなふうに効くの?
・熱のある児がカロナールで治療された場合、80%が1-2℃熱は下がる。
・カロナール投与後30-60分後に効果が出始め、ピークは3-4時間後。持続は4-6時間である。
→効果はありそうです。
解熱剤(カロナール)は何カ月から使えるの?
・アメリカ小児科学会からのレポートでは、3か月未満の児にはアセトアミノフェンは使用するべきではないとされています。
→一般に日本では生後6カ月未満では使用しないことが多くなります。
まとめると、
熱にはメリットも多く本人が熱があっても元気な場合は解熱剤は使用せずに経過をみても良いかもしれません。
熱で眠れない、飲水がすすまないなど熱によるデメリットがある場合は解熱剤は使用しても良い。
となるでしょうか。
お困りの際はいつでもクリニックにお問い合わせください。