夜驚症(やきょうしょう)

川越祭り凄い人でしたね。

人をよけて歩くのが大変でした。

皆様は行かれましたか?

 

お子さんが夜寝ているときに突然叫び声をあげるとご相談を受ける機会がありました。

夜驚症の可能性があります。

 

 

(概要)

夜驚症(やきょうしょう:睡眠時驚愕症)とは、睡眠時に突然恐怖に襲われ叫び声をあげたり、大声で泣いたりする睡眠-覚醒障害群の一つです。

夜驚症が起こりやすいのは、3~6歳です。

8 歳以上になると、脳の仕組みから夜驚は出にくくなります。

多くは思春期までには自然消失すると言われています。

症状は眠りについてから起床するまでの最初の3分の1以内の時間で起こることが多くなります。

1~10分症状が続くことが多いですが、それよりも長く続くこともあります。
症状を起こしている間、声かけても無反応な場合が多く、落ち着かせることは難しい場合が多いです。
また症状のあとに目を覚ましても、本人はほとんど何も覚えていない、もしくは断片的にしか覚えていないなども特徴です。

 

(原因は?)

夜驚症・睡眠時驚愕症の原因は、現時点で明確に分かっていません。

思春期までにほとんどの夜驚症の症状は自然に消えることが多いため、

脳における睡眠機能の発達が途中段階であることが深く関わっていると考えられています。

また、明確には分かっていませんが遺伝的要因もあると考えられています。

 

睡眠は大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠にわけることができます。

レム睡眠は比較的浅い眠りで、身体は休んでいるものの脳は活動している状態を指します。

ノンレム睡眠は深い眠りで、身体も脳も休んでいる状態を指します。

この2種類の眠りが睡眠の中で一定の時間ごとに交互に起こります。
しかし、夜驚症・睡眠時驚愕症を発症しやすいといわれている3歳~8歳ごろは、レム睡眠とノンレム睡眠をはじめとした睡眠の機能を形成する真っ最中です。

そのため、脳の中の睡眠と目覚めを調節している部分がまだうまく働いていないことがあると考えられています。

一般に覚醒(目が覚めている)しているときは、身体は動いて、眠っていると身体は動きません。

しかし、夜驚症の場合、眠っているにもかかわらず、怖い夢を見ながら身体が動いてしまうようになります。

これは、脳の中の睡眠と覚醒を調節している部分がうまく働かないために起こる現象とされます。

 

(引き金がある?)

睡眠調節機能が未熟であることに加え以下が引き金になることがあります。

・ストレスや不安
・睡眠不足
・騒音の環境
・発熱のある病気に罹患している
・睡眠中に膀胱内に尿が充満する
・睡眠時無呼吸症候群
・ADHD

 

大人にとっては何でもないことだとしても、

子どもにとっては強い不安や恐怖、興奮状態を引き起こす要因になる場合があります。

例えば、怖いテレビ番組や本を見たり読んだりした、発表会や学芸会など緊張する出来事が近くにある、といったことでも夜驚症を発症する場合があります。

また、旅行や遊園地へ行くなどといった子どもにとって楽しい体験も強い興奮が与えられるという点で、夜驚症のきっかけになることがあります。

 

(対応)

無理に止めようとしないで下さい。

走り回っている時、無理に止めようとするとかえってひどくなります。

押さえつけたりせず、危なくないように見守っているだけでかまいません。

夜驚の時、走り回ることが多いようでしたら、けがをさせないために、廊下にはガラス製品など壊れやすいものをおかないようにしましょう。

また、ぶつかりやすいものも、片付けておきましょう。

一晩に 2~3 回も夜驚があって、1 回が10分以上もかかるときは、家族のみんなが睡眠不足になってしまいます。もし、回数が多くて、睡眠不足がひどいようなら、ご相談をお願いします。