カポジ水痘様発疹症

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最近カポジ水痘様発疹症の患者様がいました。

あまり見かけない病気ですが簡単にご説明します。

 

 

以下日本臨床皮膚科医会ホームページよりの改変です。

 

(どんな病気?)

カポジ水痘様発疹症は単純ヘルペスやコクサッキーウィルス、ワクチニアウィルス等のウイルスが湿疹などに感染して急速に拡大してくものです。

もとの皮膚病変には湿疹、熱傷等がいわれていますが、ほとんどがアトピー性皮膚炎の湿疹病変に合併した単純ヘルペスウイルス感染症になります。

 

(どんな発疹症?)

発疹の形は通常のヘルペスと同様に中央にへこみのある小水疱です。

単純疱疹よりもやや大型で多発拡大する傾向が強く、すぐにただれて痛くなったり、リンパ節が腫れたり発熱などもみられます。

教科書には単純ヘルペスの初感染と書かれていますが、再発例もしばしば経験します。

表面に細菌感染が合併すると伝染性膿痂疹(とびひ)との鑑別が困難になります。

 

 

 

(診断方法)

典型的な発疹があれば診断は比較的容易です。

疑わしい時はTzanckテスト(水疱内容をスライドガラスにつけて、数分染色して顕微鏡で検査)でウィルス性巨細胞が確認されれば、診断の助けになります。

 

(治療方法)

軽症、中等症では外来通院にて抗ウィルス薬の内服(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)が有効です。

重症では入院にてアシクロビルの点滴静注が必要になります。

2次的に細菌感染が重複している場合には抗菌薬の全身投与も行われます。

これら薬剤の使用により、皮疹は比較的速やかに改善します。

 

(再発防止)

カポジ水痘様発疹症は単純ヘルペスウイルスと同様に、一度感染すると症状が治まった後もウイルスが体の中に潜伏し、発熱やストレスなどに伴って再発することがあります。

再発を抑える治療法は残念ながら確立していません。

再発の予防には基礎疾患となるアトピー性皮膚炎などのコントロールをしっかり行うこと、風邪をひかないようにする、過労を避けるなど、一般的な単純ヘルペスの悪化因子に留意することが重要です。

 

(追伸)

寒さが突然きました。

風邪をひかないようにうがい・手洗いを励行しましょう。