乳幼児に対するインフルエンザワクチン

ラグビーワールドカップ決勝壮絶な戦いでしたね。凄い。理事長淺野です。

最近インフルエンザワクチンを乳幼児(小学校入学前までのお子様)に打って意味があるのかとのご質問を立て続けにうけました。

インフルエンザワクチンについては何回か取り上げさせていただいております。

厚生労働省の令和5年度インフルエンザQ&A(令和5年10月13日版)に乳幼児のインフルエンザワクチンの効果に関して下記言及がありますので抜粋・改変してお知らせします。

現在国内で用いられている不活化のインフルエンザワクチンは、感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発病を一定程度予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。

乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、概ね20~60%の発病防止効果があったと報告されています。これはワクチンを接種せず発病した方のうち20~60%は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、という意味になります。また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されます。(参考:Katayose et al. Vaccine. 2011 Feb 17;29(9):1844-9)

しかし、乳幼児をインフルエンザウイルスの感染から守るためには、ワクチン接種に加え、御家族や周囲の大人たちが手洗いや咳エチケットを徹底することや、流行時期は人が多く集まる場所に行かないようにすることなどで、乳幼児がインフルエンザウイルスへ曝露される機会を出来るだけ減らす工夫も重要です。

まとめると、乳幼児のお子様に対しても、

・完全ではないが感染を予防して、

・感染したとしても重症化を予防できる。

・同時にご家庭にインフルエンザウイルスを持ち込まないようにすることも重要。

になるでしょうか。

受験生の皆さん、インフルエンザワクチン受けて、うがいと手洗いを励行して、何とか逃げ切りましょう。